練習前に知っておきたいボクシングの2スタイル
運動不足が気になり、思いきってボクシングを始めようとしたあなた。ジムでいい汗をかいて、気分も身体もリフレッシュすることができるでしょう。
ですが、リングに上がって闘うとき「スタイル」があるのをご存じですか? 実はこのスタイル、自分に合ったものを練習すればグッと強くなれます。
この記事では、ボクシングの「スタイル」について紹介していきましょう。
目次
- ボクシングの「スタイル」とは
- インファイター
- アウトボクサー
- 自分のスタイルの見つけ方
- まとめ
1.ボクシングの「スタイル」とは
1-1.ボクシングの基本姿勢
ボクシングにも基本姿勢というものがあります。
まず、正面を向いて立ちましょう。次に、左足を1歩出して身体を半身にし、右足のかかとを少し上げます。顔は正面を向いてアゴを引き、脇をしめて背中を丸めましょう。軽く拳を握って左手は頭付近で構え、右手はアゴのあたりに構えます。
この姿勢が基本です。
1-2.スタイルには2種類ある
基本姿勢を身に付けていくと、自分がどういった形で相手をKOするのかがポイントとなってきます。ボクシングには、自分に合った闘い方の「スタイル」があり、そのスタイルに合わせて練習するほうが効率がいいからです。
その2つのスタイルは、インファイターとアウトボクサーと呼ばれています。
2.インファイター
2-1.インファイターとは
「インファイター」は相手との接近戦を得意とするスタイル。
相手をKOしやすいのが特徴で、自分から相手の懐に入って闘うスタイルです。インファイターに向いている人は、相手のパンチに臆することなく前に出ることができ、相手との間合いを詰めるのが得意な人といえます。
ポイントは、足を構えるとき幅を広く取ってみることです。下半身が安定し、パンチを前に向けて打ちやすくなるでしょう。
2-2.インファイターのトレーニング
相手の懐に飛び込むため、パンチに打ち負けない身体が必要になります。腹筋や首の筋トレを始め、インファイターに必要な瞬発力の要となるフクラハギ。また、瞬発力を支える足の指先も鍛えていきます。もちろん、相手をKOするためのパンチ力を鍛え忘れてはいけません。
相手のスピードに翻弄されないように、間合いを詰めるイメージを常に持つことが大切です。
2-3.闘い方
ダッキングなどで相手に近づき、得意のパンチで一発ノックアウトを狙うのがベースとなります。相手をKOするパンチ力がないなら、インファイターになるのは諦めたほうがいいでしょう。
また、インファイターといえど殴るだけでは勝てません。相手の攻撃を避けたり、スキを作ったりするためのフェイントは必要になってきます。
3.アウトボクサー
3-1.アウトボクサーとは
「アウトボクサー」とは相手との距離を測りながら、軽いフットワークでヒット&アウェイで闘うボクサーです。
ボクシングのスタイルとして、パンチを打たれず打ち続けることは大事な発想となります。その意味では、このアウトボクサーは理想的なボクシングスタイルとなるでしょう。
このスタイルでは、両足のかかとは常に上げたままにします。つま先での移動を軸に、フットワークを活(い)かした闘い方をしましょう。
3-2.アウトボクサーのトレーニング
フットワークに必要な脚力・瞬発力・フクロハギ・足の指先は、インファイターと同じように鍛えていきます。しかし、インファイターよりも足をしっかり鍛えるのが重要。試合中に足が止まっては、アウトボクサーを選んだ意味がないです。
また、リズムよくパンチを打ち込み、ヒット&アウェイに必要なハンドスピードを鍛えます。パンチの回転力を上げるため、腰も鍛えていきましょう。
相手のリズムを読み取り、しっかりと相手との間合いを取るイメージをもって練習していきます。
3-3.闘い方
アウトボクサーはスウェーバックなどで近づいてパンチを打ち、相手が打ち返してくる前に離れるといったヒット&アウェイ戦法で闘います。
相手との間合いを計れないなら、アウトボクサーはおススメできません。
ボクシングは相手とパンチを打ち合うスポーツです。そのため、相手との距離が必ず縮まっていきます。そのため、「相手からポイントを取って勝つ」という発想を持って闘ってしまうもの。ですが、その発想では勝てません。
相手を倒さないと、ジリ貧になってこちらが倒されてしまいます。小さなリングでは、逃げ続けることができないからです。ジリジリと詰め寄りながら、相手をKOできるパンチを持つことは必要になってきます。
4.自分のスタイルの見つけ方
ここまでインファイターとアウトボクサーについて紹介してきました。自分でも
「絶対にインファイターだ」
「アウトボクサーのほうがいいな」
「どっちがいいんだろう」
と、スタイルに関して悩むことも多いと思います。この項目では、自分のスタイルを決める目安となる情報をお届けしましょう。
4-1.基本を身に付ける
自分のボクシングスタイルの見つける前に、まず基本を身に付けることが大事です。基本が身に付く前にスタイルにこだわってしまうと、自分にとって大事なスタイルがどちらなのかも決められません。
基本を作った上で、自分に合ったスタイルというのを探していきましょう。
4-2.見本にするスタイルを探してみる
ボクシング界に君臨する、世界的な選手はたくさんいます。リカルド・ロペス選手やモハメド・アリ選手など、ジムに通う人の中には、自分が理想とするボクシング選手がいるでしょう。
そうした選手の動きをまねてみるのも、スタイル探しのひとつ。何事もまねることから始まり、まねて練習することで自分の技術になるといいます。理想とするスタイルで闘う選手を探してみましょう。
4-3.スパーリングを活用する
スパーリング(リング状で試合のようにパンチを打ち合う練習)で、相手のパンチに対して自分がどう反応できるかで決める方法もあります。
反射的に避けることができなければインファイター、避けて相手のタイミングを見ながら打ち込めるならアウトボクサーという具合で決めてみるのもいいでしょう。
4-4.自分のパンチの性質を知る
自分が強いパンチを打てるかどうかで、スタイルの方向性を考えることもできます。
相手の懐に踏み込んで重いパンチを打ち込めるならインファイターのほうが合っているでしょう。しかし、踏み込んでもKOパンチがなければ相手に打たれるばかりになるため、インファイターには向かないことになります。
当然、パンチ力もトレーニングによって鍛えますが、自分が基礎的に持っている特徴も大事です。トレーニングをしていく中で、見極めていきましょう。
5.まとめ
いかがでしたか?
この記事ではボクシングのスタイルと種類について紹介してきました。さいごに、スタイルの情報についてまとめておきましょう。
- ボクシングにはインファイターとアウトボクサーの2種類がある。
- インファイターは相手の懐に飛び込んでKOを狙う。
- アウトボクサーはヒット&アウェイで確実に相手を倒す。
- それぞれのスタイルに合ったトレーニングを行う。
- 自分に合ったスタイルを見つけるため、基本を身に付ける。
- 練習の中で、自分のパンチの性質を知る。
運動不足解消で始めたボクシングにすっかりはまると、相手をKOしたいという気持ちが生まれるはず。そんなとき、まずは自分にあったスタイルを探すところから始めましょう。